大学卒業式の定番スタイルである「袴」は、卒業式という厳かなシーンで1度は着用してみたい礼装の1つです。
平安時代、宮廷に仕える女性が十二単の一部として身につけたといわれる袴。動きやすさと優美さ・礼式を兼ね備えた袴は着物よりも動きやすく、礼服として現代もなお愛用されています。
しかし着用する機会が少ない袴は、「着付けで必要なものがわからない」と悩む方も少なくありません。袴の着付けで必要なものは振袖や他の着物と違う部分も多く、袴を着用する予定がある方は、事前に必要なものを知っておくことが重要です。
この記事では、袴の着付けで必要なものや便利グッズ、そしてそれぞれの意味や役割を解説します。袴スタイルにおける防寒の注意点もご紹介しますので、寒い時期に袴を着用する方はぜひ最後までお読みください。
目次
袴の着物で最低限必要なものは、以下の通りです。
成人式に振袖を着用しておりさらに和装用の小物を少し買った方は、その時のものが使えるかもしれません。
たとえば足袋や帯板、腰紐は袴以外の着付けで使うことも多いので、「家にある」という方は、それを使って大丈夫です。和装用の肌着や長襦袢もすでに持っている方は、そちらを使って構いません。
着付けに必要な上記のものはもちろんそれぞれに役割や意味がありますので、次で順番に解説します。
袴の着付けで使う着物は二尺袖着物といって、振袖よりもお袖が短いものが一般的です。二尺とは76cmで、咲く都でも袴の着付けに必要な二尺袖の着物をたくさんご用意しております。
もし成人式で振袖を仕立てている場合そちらを使っても構いませんが、お袖の種類によっては袴と合わせられないケースもあるので要注意です。
振袖では大振袖・中振袖・小振袖の3種類があり、それぞれで袖丈の長さが違います。大振袖は袖の長さが110㎝以上と1番長く、婚礼衣装の定番でもある振袖です。「お引きずり」と呼ばれるほどその袖丈は長く、基本的に袴と合わせることはありません。
中振袖は袖丈が100㎝程度で、成人式では定番の長さです。大振袖よりコンパクトですが豪華な印象が強く、袴に合わせても問題ありません。小振袖は二尺袖と同じ意味で、袖丈が76㎝程度と短く、袴と合わせる際の定番の着物です。
手持ちの振袖にレンタルした袴を組み合わせる時は、袴の色を着物と合わせると上品な印象に、オシャレさや個性を出したいなら反対色がおすすめです。
袴スタイルの主役である袴は、馬乗り袴と行灯袴(あんどばかま)と呼ばれる2種類に大別され、卒業式で女性が着用するのは「行燈袴」が定番です。
馬乗り袴は文字通り着用したまま馬に跨ることができるスタイルで、キュロットのように足部分が二股に分かれています。一方で行燈袴はスカートタイプが特徴で、足部分は二股に分かれていません。
行燈袴は女性向けとして誕生した袴ですが、性別による制限はありません。しかし着付けの際は、男性は腰の高さ・女性は胸下の高さで着るという着付けの違いはあります。
素肌の上、または和装用のブラジャーの次に着用する肌着は、長襦袢や着物に汗が付かないようにするために着用します。
和装用のワンピースタイプのものもあれば、上半身に着用する肌着とスカートのように巻き付ける「裾よけ」というセパレートタイプもあり、その種類はさまざまです。和装用の肌着の選び方については、後ほど「防寒対策も!袴の着付けであると便利なもの一覧」にて詳しく解説します。
肌着の上、そして着物の下に着用する長襦袢は、着物を汗から守ったり保温したりと大事な役割があります。袴を着付けた際は袖や着物から長襦袢がチラっと見えるため、着物や袴と色を合わせるのもおすすめです。
着物の衿部分が汚れるのを防ぐ役割があります。長襦袢に縫い付けて着用することが多く、ファンデーションなどのメイク汚れや汗・皮脂から着物を守ります。
伊達衿(だてえり)とも呼ばれ、着物と半衿の間に入れることで着物を重ね着しているかのように見せるアイテムです。色によって着物やお顔の印象が大きく変わるので、着物のコーディネートをより楽しむことができます。
袴下帯(はかましたおび)とも呼ばれる帯です。一般的な帯が幅30㎝であるのに対し15㎝程度と半分の幅で、袴を着付ける土台として着用します。差し色効果もあり、袴や着物の色との組み合わせを楽しめます。
袴を着用する時の鞄は、巾着や着物用バッグが一般的です。成人式用に購入した鞄があれば、そちらを使ってもかまいません。
草履を履く際に欠かせないアイテムで、靴下替わりに着用するものです。袴とブーツを合わせる際は、ストッキングや靴下で代用します。
和装の定番といえば草履ですが、袴スタイルの時のみブーツもOKです。
長襦袢の衿部分に差し込んで使うもので、衿をピシッと整えてくれます。
前板とも呼ばれるアイテムで、帯の間に挟むことで屈んだりお辞儀をしたりしても帯に横シワが入らないようにする役割があります。
着物の着用で欠かせない紐で、長襦袢や着物の前合わせや着物の丈調整に使用します。袴を着付ける際は、最低でも4本は準備しておきたいアイテムです。
上記のアイテムが袴の着付けで必要なものです。袴を着用する時は、最低でも上記の小物が必要となります。必要なものに加えて袴の着付けであったら便利なものもありますので、次で解説します。
卒業式シーズンである3月ごろはまだ寒く、体育館や会場では防寒対策が必要です。ここでは袴の着付けであると便利なものや防寒対策におすすめのアイテムをご紹介します。
袴を着付ける際は、和装用の下着の着用をおすすめします。多くの女性は日常生活でワイヤーが入ったブラジャーを着けることが多いですが、袴や和装の時は、アンダーバスト部分のワイヤーが体に食い込み大変苦痛です。
もし持っていれば和装用のブラジャーが最適ですが、持っていなければ、ノンワイヤーのブラジャーを使いましょう。ノンワイヤーならカップ付きインナーやナイトブラ、スポーツブラでも構いません。
防寒対策として保温性のあるインナーの着用は問題ありませんが、首元が大きく開いているものを選びましょう。首元が詰まっていると、着物の衿部分からインナーがはみ出てしまうためです。
首元が開いたインナーがない場合は、首回りをハサミでカットしたり、前後ろをあえて反対に着たりするといいでしょう。和装の時は、洋服よりも首やうなじ部分がかなり露出するので要注意です。
防寒対策の定番といえばホッカイロです。手を温めるような貼らないタイプのカイロは全く問題ありませんが、背中や腰、お腹部分にカイロを貼る習慣がある方は、袴を着用する際は、着付けた後からでもはがせる部分に貼りましょう。詳しくは後述します。
腰紐と同じ使い方をしますが、両端にクリップが付いており、着物を挟むことで着崩れを防止する効果があります。
幅10~15センチ程度のベルトのようなもので、着崩れ防止のために使います。マジックテープタイプや紐で結ぶタイプなど種類はさまざまです。
着付けの最中に帯や衿を留めるもので、自分で着物を着付ける人は持っておきたいアイテムです。
着物や袴の着付けでは、体にメリハリがない寸胴体型を作らなければなりません。お尻の上部分やウエストのくびれを補正するためのパッドを使ったり、持ってない方はタオルで補正したりします。
卒業式で袴を着るときは防寒対策をする方が多いですが、インナーのはみ出しと使い捨てカイロの取り扱いの2つは特に注意してください。
袴の下にレギンスを着用する場合は、膝あたりまでの短いものを選んだり、折り上げて足首まで落ちてこないようにしたりして気を付けましょう。階段を上がるときなどに見えてしまうと、美しいとはいえません。
袴を着付ける時の使い捨てカイロは特に要注意です。腰やお腹に使い捨てカイロを貼ったまま着付けると、途中ではがすことができません。その結果熱くなりすぎたり、最悪の場合低温火傷を起こしたりします。袴を着付けるときは貼るタイプの使い捨てカイロは避けて、貼らないタイプの使い捨てカイロやショールなどで防寒対策をしてください。
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袴のコーデは「袴をおしゃれにコーディネートするポイントは?おすすめデザインもご紹介します」でもしょうかい していますので、まだ読まれていない方はお読みください!
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袴の着付けで必要なものの一覧や、それぞれの役割をご紹介しました。この記事をまとめます。
卒業式の定番である袴は、昔の女学生を思わせるような伝統的な美しさがあります。ぜひ卒業式でお気に入りの袴を着用して、素敵な1日をお過ごしください。
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