卒業式で着るのが定番の袴ですが、着物との違いが何なのか、袴っていったいどんなものなのかが分かっていないと、どうやって選べばいいかも分からなくなりますよね。
この記事では、袴と着物の違いから、袴の種類と合わせる着物の種類によっての印象の違いについてご説明します。
目次
袴と着物の違いは何ですか?と尋ねられる方がいらっしゃいますが、そもそも袴は着物の一種です。
着物とは何なのか、袴はその中でどういった位置づけなのかを説明します。
着物とは書いてそのままで、和装で「着る物」全般のことをいい、
等の種類の総称のことを言います。
場合によって、「浴衣と(浴衣以外の)着物」「袴と(袴以外の)着物」という言葉の使い方がされることもあります。
数ある着物の種類の中で袴とは、腰から下に着るもので、洋装でいえばズボン・スカートといったボトムスにあたる物のことを言います。
つまり、一般的に「袴姿」は下のように、袴とその他の着物を合わせて着るということを指します。
袴というと、卒業式以外でも結婚式や成人式などで男性の礼装として着られることが多いですよね。
そのことから、袴というとズボンのようなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?
実は袴にも種類があり、スカートのように中に仕切りがないものと、キュロットのように仕切りがあるものがあります。
名前の通りもともと男性が馬に乗るために作られた袴で、キュロットのように真ん中に仕切りがあります。
元々動きやすく作られたということもあり、非常に動きやすいのが特徴です。
写真のものは男性ものですが、デザインを変えた女性用もあります。
そのような女性用の馬乗袴も卒業式などで着ることが稀にありますが、お手洗いの際にいちいち紐をほどく必要があり、手間がかかるためほとんど見かけることはありません。
馬乗り袴の後に女性にも着られるように作られた袴で、スカートのような形をしています。
女袴といわれることもありますが、現在では男女関わらず着用されている形です。
特徴としては、馬乗り袴とは違い、お手洗いなどをする際に毎度ほどく必要がないので楽に着ることができます。
女性が卒業式やおしゃれ着として着る場合は、ほとんどこの行灯袴が使われます。
明治時代に女学生が着る制服として採用されていたことが、袴が卒業式で着られるようになった大本になります。
袴は、従来の着物に帯というスタイルに比べて動きやすく、さらに優美さと礼容を兼ね備えているという点も、袴が制服として採用されたポイントだったようです。
また、明治時代において女学校に通える女性はかなり裕福で、貴族のような存在でした。
つまり学校の制服といっても今のように誰でも着られるわけではなく、一般市民からすれば憧れの対象でもあったのです。
こうした歴史からも、袴は卒業式という厳かな式典の場の衣装として着られるようになりました。
袴に合わせる着物に特にこれといった決まりはありません。
実際に袴と合わせてよく着られている着物の種類は以下の4つです。
最近は、卒業式の袴に成人式で使った振袖(中振袖)を合わせる人もとても多くなっています。
ただ、成人式の時の振袖を使いまわすか、それとも着物単体でレンタルしたり購入したりするか迷う方も多いようです。
ここでは袴に合わせる定番の着物の種類と、合わせた時の印象をご説明いたします。
振袖の中振袖とは、成人式で着られている定番の振袖で、袖丈が100cm前後で膝くらいまでの長さがあるのが特徴です。
中振袖は、袖が長いぶん柄の入った面積が広くなるため、とても豪華な印象になります。
成人式用で中振袖を購入しても、今後あまり着る機会がないと思っている方は、一度袴との組み合わせを考えて試着してみてもよいでしょう。
豪華な印象のある中振袖ですが、長い袖を引きずってしまったり、自分で踏んでしまったりと他の着物と合わせた時に比べて動きにくくなってしまいます。
とはいえ、卒業式ではそこまで活発に動くこともないと思うので、動作の度に注意をすれば大丈夫です。
また、背の低い人は中振袖と袴のバランスがとりづらくなります。
着になる方は、ボリュームのあるブーツをはくことでバランスがとりやすくなります。
ただ、履きなれていないブーツだと、さらに動きにくくなってしまうので、事前に試着をして鏡でバランスをチェックしたり、歩いたりすることが大切です。
振袖の小振袖とは、袖丈が85cm前後の短めの振袖です。
振袖の中でも袖が短いため、若々しくて活発的な印象があり、実際に動きやすい着物です。
しかし、単体で着られることはほぼなく、使われるのは卒業式に袴と合わせる場合がほとんどです。
最近は袴用に裾がひざ上ほどの短さになった小振袖もあります。
他の訪問着や中振袖などの着物を袴に合わせる場合はおはしょりを行うため、お腹周り~太もも付近は布がかさばり、少々動きにくくなってしまいます。
袴用の小振袖では、そのようなかさばりがなく、すっきりしているため足が動きやすく、卒業式中に苦しくなることも避けられます。
訪問着と袴は卒業式に参加する先生方がよく着用しているスタイルです。
訪問着は未婚・既婚を問わず着用でき、幅広い用途で年齢を問わずに着られる着物で、一つにつながった大きな絵のように施された絵羽模様が特徴です。
派手ではなく穏やか印象がある訪問着と袴を合わせると、大人っぽい印象になります。
逆に言えば、せっかくの卒業式で卒業生が着るには地味すぎる印象になってしまうかもしれません。
袴と合わせる訪問着を選ぶ際は、肩から胸元、または袖の部分にお気に入りの柄が入っている着物を選ぶと、その柄を活かした着こなしができるのでおすすめです。
こちらは礼装にはなりませんが、カラフルなおしゃれ着物と袴を合わせると街歩きにもおすすめなコーディネートになります。
大正ロマンな袴姿はひそかに人気になっているので、是非おしゃれ着として着てみてはいかがでしょうか?
このようなコーディネートは卒業式の袴姿も派手にしたかったけど、礼装だからあまり遊べなかった、という方や着物で散策している人が多い京都で他の人たちと差を付けたい!という方に人気です。
いかがでしょうか?
是非ご自身にあった袴スタイルで卒業式に華やかに出席してみてくださいね。
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