成人式の振袖や卒業式の袴、また和装の結婚式で着られる色打掛など、日本では大切な節目で着物を着る文化がありますよね。
そんな大切な日に着る着物の柄は見た目の好みで決めるのももちろん良いですが、その柄に込められた意味を考えて選ぶのも粋ですよね。
この記事では、着物に使われる柄の中から定番の21種類の意味をお伝えします。
大切な日の礼装としての着物はもちろんのこと、普段着に使う「訪問着」や、京都などの観光地で着る「レンタル着物」での着物選びの参考にしてみてくださいね。
「鶴は千年」といわれるように長寿の象徴として古くから用いられ来ました。
また、鶴の特性でつがいが仲良く一生を添い遂げることから夫婦円満の象徴でもあります。
このことから、鶴の柄は結婚式の色打掛にも定番の柄になっています。
鳳凰は、鶏と孔雀を組み合わせたような姿をした想像上の動物です。
古来中国では「鳳凰は平和で幸せな世界が訪れるとき現れる」という言い伝えがあったことから、鶴と同様に、慶事を象徴する瑞鳥として愛されてきました。
松竹梅は、その名の通りおめでたい意味のある松・竹・梅の3つの植物を合わせた柄です。
これらのことから、松竹梅は忍耐力や生命の誕生を意味するといわれており、結婚や出産に適した柄であるといえます。
扇は末広がりの形をしていることで、おめでたい柄の一つとされています。
「末広がり」とは、その名のとおり、未来への展望が明るいという意味があります。
日本では室町時代から祝いの席のご祝儀に扇を送る習わしがあり、今でも礼装として着る着物にはセットで扇を持つことが多いです。
のしといえば、めでたいことがあったときの贈答品に付けるリボンのような飾りですよね。
熨斗目は、こののしが何本も束ねられた柄で、多くの人から祝福を受けていることと、その幸せを周囲にも分け合うという意味があります。
その他にも、人と人との絆、繋がりを表し、その長さから長寿の象徴でもあるとてもおめでたい文様です。
観世水はこの写真の青い渦巻きのような図のことを言います。
「流れる水は腐らず」と言うように、常に新しく変わりながら姿をとどめている水の流れから、変わり続けていく未来を表しています。
桜は日本の国花であり、着物によく使われている花です。
古い言葉で、サクラの”サ”は「田の神・穀霊」、”クラ”は「神座(神のいる場所)」を意味していたため、五穀豊穣の象徴とされてきました。
また桜といえば、花見を想像する人も多いかと思いますが、実は花見ももともと桜の下で五穀豊穣を願って行う行事だったのです。
その他にも、春にはたくさんの花が芽吹くため、春の花の象徴でもある桜は縁起の良い物事の始まりを意味するとされています。
日本では昔から、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿はユリの花」という言葉があり、女性の美しさを表現する花といわれてきました。
花弁が大きく、多いため高貴さや富貴さ、美しさを意味するものとして愛されてきた花です。
椿は、今でもヘアオイルや化粧品に使われていますが、平安時代より化粧品や不老長寿の薬として大切にされていました。
菖蒲は古くから解毒作用がある薬草として人々から重宝されていました。
花丸文は草花を円形に図案化した柄で、花の丸とも言います。
リアルな花が描かれたものから幾何学模様っぽいものまであり、使われる花の数も様々です。
日本の国旗が「日の”丸”」ということもあり、丸という形は日本では完全と統一、無限の発展など、多くの神秘的な意味でつかわれてきました。
また、「円(縁)を結ぶ」「輪(和)をもって尊しとなす(仲良くすることは大切)」「夫婦”円”満」という言葉を想像させることから、結婚にもふさわしい柄だといわれています。
蝶は芋虫からさなぎ、そして美しい成虫の蝶へと成長していきます。
このような蝶の華やかな変容から、健やかな女性の成長を表している柄です。
また、蝶は産卵期を迎えるとつがいで仲睦まじい姿から、夫婦円満を表す吉祥文様としてもつかわれます。
その他にも諸説ありますが、京都にある岡崎神社にはウサギが奉られていることから、岡崎神社が建立された平安時代からウサギは縁起物であったといえます。
雪輪は雪の結晶の形から生まれた文様です。
寒い冬に積もった雪は、春になれば雪解け水となり、野山の草花をはぐくみ、さらに秋の実りをもたらします。
このことから雪は五穀の精といわれており、その年が豊作になる吉祥の象徴とされていました。
青海波は海の波を扇状した柄です。
絶えまなく続く穏やかな波のように、平穏な暮らしが続くようにという意味があります。
矢の羽をモチーフにした文様です。
矢は一度放たれると戻ってこないことから、結婚の際の縁起柄とされており、江戸時代には嫁入り道具に矢絣の着物を持たせると言った風習がありました。
古来から麻は魔除けや厄除けとして、お祭りごとや赤ちゃんの産着に使われる風習がありました。
この麻の葉がいくつも重ねられていることから、魔除け・厄除けの意味をより強く表しているといわれています。
市松模様は、二色の正方形が交互に並んだ格子柄(チェック柄)のことを言います。
歌舞伎役者の佐野川市松という人が舞台衣装の袴の模様に用いたことから、市松模様といわれるようになりました。
その柄が途切れることなく続いて行くことから、無限の繁栄の意味が込められています。
亀甲文は名前の通り、亀の甲羅をイメージした模様で、長寿を意味します。
特に、昔は乳幼児の死亡率が高かったこともあり、お宮参りの着物に使われていることが多い柄です。
その他にも、縁結びで有名な出雲大社の神紋にも見られることから、良縁を呼ぶ文様とも言われています。
七宝文様は写真のような丸が名がっていくような柄のことを言い、家庭円満や繁栄への願いが込められています。
七宝とは仏教の言葉で、金・銀・瑠璃・玻璃・珊瑚・瑪瑙(めのう)・しゃこといった宝物のことを指します。
円(縁)の繋がりは七宝と同等の価値があるということを示しています。
立涌文花一定の間隔で波打つ曲線が向き合い、繰り返す幾何学模様のことを言います。
ゆらゆらとたちわきのぼる水蒸気を表したといわれており、上昇していくという意味が込められています。
よく見かける着物の柄の多くには何かしらの意味があり、幸せや発展を願ってつけられています。
色々なシーンで着物を選ぶときは、見た目はもちろん、柄に込められた意味も参考にして選んでみてくださいね。
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