京都の夏の風物詩である「納涼床(川床)」。
一度は行ってみたいという方も多いと思いますが、納涼床で食事をするのはなんとなくハードルが高いイメージがありますよね。
今回は、「カップルや友人同士で、納涼床で浴衣を着て美味しいものを食べたい。」「納涼床で食事の前後に京都散策も楽しみたい!」という方に向けて、できるだけリーズナブルで雰囲気の良い納涼床のお店をピックアップしてご紹介します。
納涼床(のうりょうゆか、のうりょうどこ)は、京都や大阪の夏の風物詩の一つです。
料理店や茶屋が川の上や、屋外で川のよく見える位置に座敷を作り、お客さまに料理などを提供すること場所のことをいいます。
京都鴨川では「ゆか」、貴船、では「かわどこ」と読むのが一般的とされています。
京都で納涼床といえば「鴨川」と「貴船」が有名です。
「鴨川」と「貴船」の納涼床の特徴は以下の通りです。
鴨川納涼床では、河原の上に設けられた席で料理を楽しむことが出来ます。
鴨川の納涼床は店舗数が多くその数は2021年度は83店舗にも及びます。
店舗数が多いだけあり楽しめる料理の種類も豊富で、和食だけではなくイタリアンやフレンチといった様々なジャンルの料理を楽しむことが出来ます。
気軽に納涼床を楽しむのであれば、三条大橋のたもとにあるスターバックスカフェもおすすめです。
貴船は鴨川と同様に川床があり、さらに市街地よりも10度ほど涼しく過ごせるスポットです。
鴨川の納涼床は、市街地にあるため夏場には夜でも30度前後とかなり暑くなるため、涼しい場所で川床を楽しむのであれば、少し足を延ばした貴船がおすすめです。
貴船は、京阪の終点駅である出町柳駅から、叡電と呼ばれる路面電車で30分ほど乗って行くことが出来ます。
最寄り駅からは坂を上ることになりますが、段差が小さく歩きやすくなっています。
納涼床での食事は、ぜひ浴衣レンタルをしてカップルや女友達同士で行くのがオススメです。
納涼床で食事をするだけでも十分清涼感がありますが、浴衣で行くとさらに清涼感が増しますよ。
納涼床で食事をするならば、夜の食事もよいですがランチの方がリーズナブルです。
予算を抑えて納涼床を楽しみたい場合は、ディナーではなくランチにするとよいでしょう。
鴨川や貴船の納涼床は、例年は5月~9月末日までの開催となっています。
しかし、鴨川の納涼床は2021年度に限り5月~10月末日まで開催期間を延長しています。
現在、多くの飲食店は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言などの影響で営業時間が不規則になっています。
利用の際には必ず事前予約が必要というわけではありませんが、来店を考えているお店には事前に問い合わせをするのがおすすめです。
以下では、ランチのできる川床のお店6つ紹介します。
引用元:奥貴船 兵衛 公式サイト
ランチの価格:10,000円〜11,999円(夜は12,000円以上)
貴船川の奥の奥へと続く道にひっそりと佇む当店は、貴船のお店の中でも落ち着いた雰囲気が味わえます。
名物料理はの笹の香りに包まれた鮎の笹焼き、鱧しゃぶなどです。
四季折々の旬食材、川魚や山菜を盛り込んだ会席料理を、喧騒から逃れた上品な空間の中で楽しめます。
ホームページ:奥貴船 兵衛
ランチの価格:10,000円〜11,999円(夜は12,000円以上)
旅館も兼ね備えている「ひろや」は京都貴船の中心に威風堂々とした佇まいでお店を構えます。
夏の川床は、貴船川のせせらぎを聞きながら日ざしをさえぎる青楓も目に鮮やかです。
川のせせらぎの響きも心地よく、澄んだ空気は夏の盛りでも肌にひんやりと涼味満点です。
氷の器に盛られた鱧、泳ぐ姿を器に盛った鮎の石庭は定番の人気メニューとなっています。
ホームページ:貴船 ひろや
ランチの価格:4,000円〜4,999円(夜は5,000円以上)
創業100年を超える京都の老舗京料理「藤や」の手掛けるカフェレストランです。
名物の和牛すき焼き・赤地鶏のすき焼き・冷やしそうめん・鮎の塩焼きなどのほかに、手軽に楽しめるソフトクリームやフロートドリンクなどといったカフェメニューも豊富です。
古今藤やは、当日空きがある場合はカフェメニューの注文でも納涼床を楽しむことができます。
カフェの利用で納涼床を利用する場合は、別途座席料一人様500円(税込)が必要なのと、観光シーズン・土日祝は納涼床が満席になっていることが多いため注意が必要です。
ホームページ:古今藤や
ランチの価格:4,000円〜(夜は8,000円以上)
明治30年創業の老舗旅館「竹島」の伝統と名を引き継ぐ由緒ある京料理割烹です。
京料理割烹と聞けば、高級なイメージを持つ方も多いかと思いますが、若い人にも京料理を知ってほしいと良心的な価格でメニューを展開されています。
京都の地酒も豊富に取り扱っているのも嬉しいポイントです。
ホームページ:京料理 竹島 ICHIGO栄家
ランチの価格:2,750円〜(夜は5,500円以上)
今も花街の文化を受け継ぐ先斗町は、京都の訪れた際はぜひ行ってみたい場所のひとつ。
元お茶屋の面影を残す築100年余年の京町家で営業されている「花柳」は、店内の雰囲気も歴史を感じます。
季節の食材を使用した繊細で華やかな京懐石が名物です。
また事前に予約すると、お馴染みさんでなくても室内利用であれば芸舞妓さんのお茶屋遊びを体験できます。
ランチの価格:2,000円〜(夜は4,000円以上)
定番のおばんざいからステーキなどの肉料理まで、種類豊富なアラカルトが揃っている「百練」は、連日多くの人たちで賑わっています。
看板メニューである京漬物盛り合わせ842円。
錦市場から仕入れる新鮮な鱧を使ったハモ料理や、川魚専門店の鮎を使った若鮎の塩焼きなどもおすすめです。
ノーチャージで利用できるので、はじめて納涼床に訪れる方にも入りやすいお店です。
せっかく京都の夏の風物詩である納涼床で食事を楽しむなら、他にも京都らしい場所を観光して、目一杯京都を楽しみたいですよね。
以下では、納涼床の前後で散策できるおすすめの観光スポットをご紹介します。
京都のカップルならみんなしているといっても過言ではない超定番のデートスポットです。
都会のど真ん中ですが、川のせせらぎとともにピクニック気分でゆったりとした時間を過ごすことができます。
近くのカフェやコンビニでドリンクだけテイクアウトして持っていくのがおすすめです。
ただし、鴨川の上空にはトンビが飛んでいることも多いので、食べ物を食べるのはお勧めできません。
「サンドイッチやお弁当を食べていたら、トンビに襲われた」というのは鴨川あるあるです。
ケガをしてしまうかもしれないので、くれぐれも食べ物を食べるときは上空に注意してくださいね。
祇園は、浴衣を着たら行きたい定番のエリアですが、その中でもおすすめなのが祇園の北側にある「祇園白川通」です。
柳や朱色の柵が有名な「巽橋(たつみばし)」で知られる祇園白川は、ドラマの舞台にもなるほど美しい観光スポットです。
京都の風情が色濃く残り、運が良ければ舞妓さんに出会えることもあります。
夏の祇園白川は、柳や桜の緑が美しく、通りに植えられたアジサイも美しく咲き乱れるため、石畳と相まってとてもフォトジェニックなスポットになります。
歴史のある涼しい町家の中で、川の音を聞きながら浴衣でかき氷を食べてみるのもよいですね。
▼祇園白川通
住所:京都府京都市東山区元吉町近辺
下鴨神社は、糺の森という森林に囲まれた神秘的な神社で、パワースポットとしても有名です。
夏には、この下鴨神社で「御手洗祭り」や「下鴨納涼古本まつり」といった夏のイベントが行われるのでおすすめです。
御手洗祭りは、7月後半の「土用の丑の日」の前後に1週間ほど行われるイベントで、冷たい池に足を付けて歩いて、厄払いをします。浴衣で行く場合は、裾をぬらさないように持ち上げて、ゆっくりと歩きましょう。
下鴨納涼古本まつりは、8月の2週目などに行われる古本市で、野外の古本市としては日本最大級を誇ります。
文庫本はもちろんですが、絵本やレトロな雑誌、美術書などが約80万冊も出されているので、普段本を読まない人も楽しめますよ。
まつりという名前がついているだけに、かき氷やうどんなどの出店も並びます。
イベントをやっていない期間も、下鴨神社は木陰と小川のおかげて涼しく過ごせるスポットです。
▼下鴨神社
住所:京都市左京区下鴨泉川町59
営業時間: 6:30~17:00
サイトURL:https://www.shimogamo-jinja.or.jp/
京都市内から少し足を延ばす必要がありますが、ハートの窓が女子に大人気の正寿院も夏に浴衣で行くのにおすすめの観光スポットです。
宇治田原町にある正寿院は京都市内と比べても夏は5℃ほど涼しいため、浴衣でも快適に過ごすことができます。
「猪目窓」と言われるハートの窓を代表に、色鮮やかな160枚の天井画などはまさにフォトジェニックでどの季節に行っても楽しめること間違いなしです。
▼正寿院
住所:京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
営業時間:9:00~16:00
サイトURL:http://shoujuin.boo.jp/
貴船に行った際にはぜひ立ち寄ってほしいのが貴船神社です。
清々しい緑に囲まれた神社は「縁結び」のパワースポットとして女性を中心に人気を集めています。
ご神水に浮かべて結果が分かる「水占(みずうら)みくじ」も人気です。
普通のおみくじだと印刷されたものを引きますが、こちらは紙をもらった時点では結果が書かれていません。
ご神水と呼ばれる小さな池におみくじを浮かべると、あら不思議!文字が浮かび上がってきます。
このドキドキは他の神社では味わえません。貴船に行ったときはぜひ試したいものです!
▼貴船神社
住所:京都市左京区鞍馬貴船町180
本宮 開門時間:6:00~20:00(5/1~11/30)
授与所受付時間:9:00~17:00(水占みくじ、御守、御朱印などの授与受付)
サイトURL:https://kifunejinja.jp/
納涼床を浴衣で楽しむなら浴衣レンタルが便利でおすすめです。
浴衣は購入するよりも、レンタルの方が断然安くすみます。
駅から近い浴衣レンタル店であれば、乗り換えのある駅の近くのお店で浴衣レンタルをすると、スケジュールにも影響がなく浴衣を楽しめますよ。
浴衣は、安っぽく見えないしっかりとしたつくりのものを購入すると、だいたい1万円前後します。
また、浴衣だけでなく帯や小物を揃えようとすると、合計金額が2~3万円になってしまうこともよくあります。
しかし、レンタルの場合は3,000円前後で着付けに必要な小物まで一式を全て借りることができます。
浴衣をたまにしか着ない人や、いろんな色や柄の浴衣を着てみたい人は、浴衣レンタルがおすすめです。
京都の観光スポットは場所が点在しているため、多くの観光スポットを周るためには、いかに効率よく移動するかがポイントです。
「納涼床をで食事をする前後に京都観光もしたい!」と考えている方は、駅からアクセスの良い浴衣レンタルのお店を選ぶようにしましょう。
京都にはたくさんの浴衣レンタル店がありますが、駅近と謳っているのに実際には10分以上歩かないといけない場合もあります。
咲く都は、京都市内に「京都駅前店」と「祇園店」の2店舗を展開しており、どちらのお店も、最寄り駅から徒歩1分と大変アクセスがいい立地になっています。
以上、京都の夏の風物詩である「納涼床(川床)」についてご紹介しました。
一見ハードルが高そうな納涼床ですが、ランチの時間帯を狙えばリーズナブルに楽しめます。
この夏はぜひ、浴衣レンタルをして友人同士やカップルで京都の夏の風物詩を楽しんでみてくださいね。