結婚式にお呼ばれしたら、ドレスもいいけど大人っぽくて一味違う着物で出席してみませんか?
ただ、結婚式に着物を着ていくのであれば、マナーをしっかり押さえて置くことが大切です。
というのも、結婚式のゲストはほとんどの場合ドレスやワンピースを着ているので、着物はよくも悪くも目立ちます。
せっかくなら、主役である新郎新婦を立たせながら、ゲストのあなたの着物姿も素敵だなと思われたいですよね。
この記事では結婚式でゲストが着れる着物の種類のマナーと、当日着物を着て参加した時の立ち振る舞いのポイントをご紹介いたします。
目次
着物の種類は3種類あります。
それぞれの特徴を簡潔にご説明します。
振袖は袖が長いのが特徴で、成人式でもおなじみの未婚女性のための着物です。
訪問着は年齢や結婚の有無に関わらず着ることができる着物です。
特徴としては、大きな柄が、肩から胸や袖にかけて一つの絵のように美しくつながっていることが挙げられます。
黒留袖は、既婚女性が着用する着物の中では、最も格式が高い第一礼装と言われています。
黒留袖は文字通り黒地で、背中の真ん中、両袖の後ろと両胸の合計5箇所に家紋が入るのが特徴です。
この三種類の着物ですが、それぞれにマナーがあります。
振袖は、未婚女性が着用する着物の中では、最も格式が高い第一礼装と言われています。
成人式で購入して、もう一度機会があれば着たいと考えている方も多いようですが、以下のようなマナーに気をつけましょう。
先ほども書いた通り、振袖は未婚女性が着用する第一礼装なので、既婚者はもう着ることができません。
また、若い女性の着物ですが、何歳まで着ても良いかというのは諸説あります。
昔は24歳までと言われていましたが、今はそこまで厳しくはなくなっているようです。
30代であれば、落ち着いた色柄の振袖は大丈夫としている人も多いです。
しかし、あくまでも結婚式の主役は新郎新婦。
お互いの友達にどんな人がいるのかを見ている親戚の方もいらっしゃるかもしれません。
あくまでも新郎新婦を気遣って、振袖を着てもいいかを決めましょう。
結婚式にお呼ばれしたゲストは「大振袖」は避けて、「中振袖」か「小振袖」を選びましょう。
振袖にも「大振袖」「中振袖」「小振袖」の3種類があり、大から順番に袖が長く、格式が高くなります。
上の写真で花嫁が着ているのが「大振袖」です。
一般的に成人式で切られるのは「中振袖」と呼ばれるもの。
「大振袖」は袖も裾も長く、もっとも格式が高い振袖です。
和婚で新婦が白無垢のお直しとして着ることが多いのがこの「大振袖」になります。
だからゲストは新婦より格式を低くするために、「中振袖」か「小振袖」が良いのです。
振袖を結婚式で着る場合、色柄が派手すぎないか確認しましょう。
成人式で着た振袖を結婚式にも着て行く方は多くいらっしゃいます。
ただ、成人式のために選んだ振袖はかなり派手で若々しく、目立つ色柄のものがほとんど。
新郎新婦が主役の結婚式なのに、目立ちすぎてしまっては失礼にあたります。
ただし、新郎新婦の妹など、近しい家族の結婚式の場合であれば、マナー違反にはなりません。
はたから見ていても、新郎新婦の家族であることは明確なので、嫌な顔をされることはないでしょう。
それ以外の友達の結婚式の場合はできるだけ地味な振袖を用意していきましょう。
成人式ではボリューミーなファーストールを合わせるのが定番ですが、結婚式では殺生を感じさせるファー素材は避けるのがマナーです。
もし、ストールを防寒対策として着用する場合は、ふわふわのファーではなく、カシミヤなどの素材のものであれば上品な雰囲気でまとまるのでおすすめです。
訪問着は振袖や黒留袖とは違い、礼装ではないので、年齢・既婚未婚に関わらず気軽に着られる着物です。
ただし、訪問着でも新婦より目立ってしまったり、親族と見間違えられたりするような色柄は避けるのがマナーです。
これは振袖と同じことですが、あくまで結婚式の主役は新郎新婦であることを忘れてはいけません。
例えば、真っ赤・真っ青・カラフルでビビッドな柄の着物は派手すぎるので避けていくのがよいでしょう。
また、ドレスやワンピースでも真っ白はウエディングドレスと被ってしまい大変失礼に当たるというのは有名ですよね。
実は着物の場合は、白地はOKです。
というのも、多くの白地の訪問着は華やかな柄が描かれているので、問題ないのです。
ただし、花嫁の衣装よりも目立ってしまうほどの明るい白の着物は避けたほうがよいでしょう。
気になるのであれば、帯に暗めの色を持ってくるなど小物で色を付けることで真っ白なコーディネートにならないようにしましょう。
後で説明しますが、黒留袖は新郎新婦にもっとも近い親族が着る第一礼装の黒い着物です。
この黒留袖には5つの家紋がついていることが特徴ですが、黒地の訪問着は遠くから見れば黒留袖に見違えてしまいます。
特に結婚式においては、着物の格を使い分けることはとても重要です。
ですので、黒留袖に見間違えるような黒地の訪問着は避けましょう。
派手な色柄、真っ白なコーディネート、黒地の訪問着は避けましょうとお伝えしましたが、間違いないのは淡い地色に古典柄の訪問着です。
例えば、ピンク、薄黄色、水色、薄緑などは上品で着物だけで大人っぽい印象を与えること間違いありません。
是非、自分に似合う色を選んでみてはいかがでしょうか?
お呼ばれしたゲストであれば黒留袖は避けましょう。
なぜなら、黒留袖は既婚女性が着る着物の中で一番格が高い第一礼装になります。
ですので、この黒留袖を着るのは新郎新婦に最も近い母親・祖母などの親族になります。
親族以外で黒留袖を着るとすれば、仲人など新郎新婦2人にかなり親しい中に限ります。
ただ、仲人が黒留袖を着る場合も、事前に新郎新婦に許可を得ておくのが良いでしょう。
黒留袖を買ったり、親族から譲ってもらったりする際にはセットで金銀・白色の小物がついてくることがほとんどです。
この金銀・白の小物は礼装用であることを意味しています。
もし、セットの小物を使わない場合であっても、金銀白のどれかの色合いがベースのものであることをしっかり確認しましょう。
結婚式で着物に合わせる小物は以下のものがあります
今はカジュアルに着物を着る人が増えているため、半襟や草履、足袋などはカラフルでかわいいものもたくさんありますよね。
ただし、結婚式はあくまでもフォーマルな場ですので、白色・金銀を使ったものにしましょう。
着物レンタルや着物屋さんでも結婚式に着ていく旨を伝えれば、礼装用の商品を案内してもらえます。
アクセサリーやネイルは派手すぎるものは避けましょう。
色合いは白いものや着物と同じ色合い物で合わせると落ち着いた印象になります。
またパールは結婚式のドレスやワンピースにつける定番ですが、着物にも似合います。
もしお持ちであれば、小ぶりのパールのイヤリングやピアスは着物に似合うのでぜひ使ってみてはいかがでしょうか?
結婚式で着物を着ていく場合は、バッグも礼装用の小ぶりのバッグを使いましょう。
また、小ぶりのバッグにも荷物を詰めすぎてはパンパンになって品のない見栄えになってしまいます。
ハンカチは厚手のタオル地ではないもの、財布は長財布ではなく折り畳み財布など、荷物をできるだけコンパクトにできるように準備をしましょう。
ここまでは着物や着物に合わせる小物のマナーについて説明しました。
ただ、上品な着物を着ていても、立ち振る舞いが上品でなければ台なしになってしまいます。
せっかく大切な方の結婚を祝うために着物を着たのであれば、上品に見えるような立ち振る舞いをしましょう。
ただ、難しく考えすぎても緊張して疲れてしまうかもしれません。
そこで、美しく見える4つのポイントをまとめました。
式中に是非心がけてみてくださいね。
せっかくの着物も猫背になってしまっていてはかっこよく見えません。
そう分かってはいても、結婚式で着物を長時間着ていると締め付けがきつくなり、猫背になってしまいがちです。
そこで常に、胸を斜め前に引っ張られているように張って、顎を引くという2点だけを意識しておきましょう。
これだけで凛とした印象を与えることができます。
これは結婚式の間はずっと意識しておくとベストですが、特に写真撮影の時はこの2点を意識しましょう。
着物を着た時は、重心を内側において、やや内また気味で足を擦りながら歩きましょう。
こうすることで、上品で大人っぽく見えるだけではなく、着物が着崩れるのを防ぐことができます。
もし急ぐ用事があったとしても、大股は避けて、小股ですたすたと歩くようにしましょう。
結婚式中、椅子に座るタイミングでは疲れが出て、背もたれにもたれてしまいたくもなるものです。
しかし、もたれてしまってはせっかくの着物の帯が崩れてしまう上に、見栄えもよくありません。
椅子に座るときは帯が背もたれにつかないくらい浅く座り、骨盤を立てて背もたれを使わないようにしましょう。
料理を取るときや、移動時の電車のつり革など腕を伸ばすタイミングも気を付けましょう。
袖口を逆の指でつまみ、手先だけが出るようにするのがポイントです。
肘や二の腕が見えてしまっては、せっかくの着物姿が子供っぽく下品に見えてしまいます。
こういったしぐさをすぐにできる自信がない方は、着付けをした後に家や着物屋さんの鏡の前で練習しておくとよいでしょう。
いかがでしょうか?
大切な方の結婚を祝う結婚式の場に着物を着て行けば、他のドレスの方より凛とした雰囲気で、きっと尊敬されること間違いなしです。
是非、正しい着物選びと美しい立ち振る舞いで結婚式に参加してみてくださいね。